第3回 妻と飛んだ特攻兵

神州不滅特別攻撃隊

隊員は合計11名。

ソビエトの戦車隊に特攻する若者が練習機を改良した飛行機で空に向かって

飛びだったのは終戦後4日後の8月19日であった。

飛行場の周りは取り残された満州開拓団が多数、日の丸を持って彼らの姿を見つめ

ていた。

当然、其の中に妻 朝子がいた。

小さな飛行場は見送りに来る日本人で滑走路の周りはいっぱいである。

遠い満州で、それも 守ってくれる関東軍がいち早く逃げていき、残された満州開拓の

人は、わずか11名で自分達を守るべき特攻隊の飛行兵をどのように見えていたのか

想像出来る。

そして、妻、朝子は飛行機に搭乗したのである。

多数の群衆が彼女の姿に気がついた時は眼の前に飛び去る徹夫の飛行機の後部席

であった。

 

「あっ、女が乗ってるぞ」

眼の前の飛びだつ特攻機の中に女性の姿を見つけた時、群衆は驚いたに違いない。

夫婦にどのような話があったのかは解らないが、故郷 青森から空襲のさなか

危険を侵し、満州の夫の元へ、わずか2ヵ月の新婚生活。

終戦間近の戦局の中で2人でゆっくりは話す時間が無く、ようやく2人で一緒に

永遠に暮らせる世界に共に飛びだったのある。

 

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