何気なく映画上映館を眺めていたら、
ロサ会館映画館
えっ 懐かしい名前が、脳裏に浮かんだ
今から50年ほど前、いや 半世紀前に覚えてた映画館、当時 学生時代にあの池袋を拠点として過ごした青春時代
埼玉と東京の出入り口の池袋、故郷札幌で過ごした10年ほど、親の仕事の関係で東京に、そして過ごした学生時代であるがその池袋の匂いが、どうしてか故郷の匂いが感じられた。もしかして埼玉と東京の両方の匂いが故郷と同じ感覚であった過去しれない。
その懐かしい池袋のロサ会館、確か当時8階建ての雑居ビルが珍しく、おまけにほとんど飲食店が店を構えていた。その正面の入口側でなく 裏側に映画館があった。そして映画館の上映の看板は 色豊かな色彩にこぼれんほどの笑顔をこぼしていた美女軍団 いわゆるピンク映画専門の映画館であった。
当時青春ど真ん中の友達との合言葉は オイ 行こうぜ この言葉で仲間と連れ添った。
あれから50年 現在その映画館は個性的な映画を上映する専門の映画館になった。今回 上映の題名は
福田村事件
今から 100年前 明治から大正へと時代が移り変わり、特に大正は新しい思想の 大正デモクラシーなる思想が広がり、混乱が始まった。
その最中に震度7,9の地震が東京 横浜、房総地方などに甚大なる被害が起きた。
関東大地震
被災者 約190万人 死者 約10万5000人
いわゆる電気、水道、道路、鉄道などのライフラインで大いなる被害が発生
すべてが破壊され 甚大なる被害が起き、その中で情報は人から人への伝言が主であった。
しかし
混乱の中で多くの流言が広がり、不安な世界に陥り、いつの間にか混乱な時間にわけもわからない流言が広がり、それに惑わされ各地で政府への不満、不信が巻き上がりそのような中、世相を混乱に陥れる事件が起きた。
それが 福田村事件
不安から各地で自衛団を結成。ある意味、無法地帯が各地に出来き、その中で戒厳令が東京、神奈川に発令された。まさに混乱の中で福田村にも避難民から朝鮮人が略奪、暴動、放火の情報が流れてきた。
そして、偶然 村に立ち寄った15名ほどの行商人が巻き込まれ、村の自警団により暴行 殺人が起きた。まさにあやふやな情報に巻き込まれ各々が集団心理により、村人が暴走して人の命を殺めた。
これが福田村で起きた真実の事件である。
これは今の時代でも他人への誤った情報があっという間にネットに広がり その情報を目にした人が面白おかしく広げ、それを信じた人がリレーの競技のように次から次へと広げて いつの間にかその情報が真実になる恐れがある。
そんな思いでこの映画は心に響く作品である。