このごろ思うこと


義理の父が亡くなって何年たったのだろう。

いわゆる、大往生であった。
確か 90何歳で亡くなった。

病院からの知らせで駆けつけたが、ベッドでにこやかに見舞いにきた肉親に声をかけていた。
それは最後の別れの挨拶だったかも知れない。
しっかりとした口調でー忙しいのに悪いねーと受け答えしていた。
対面してこんなに元気なのになぜ病院が呼び出したのだろうと不思議に思っていたが。。。

それから、2,3日後息を引き取ったとの連絡が入った。
まさしく大往生であった。

会社一筋で家庭を守り、子供達を独立させて、男の責任を果たしゆうゆう自適の生活を
すごしていた。
白髪の髪をしっかりナナ、サンに分け、おしゃれな銀縁のめがねをかけ、和室件リビングの
TV前のコタツの指定席でいつも自分を迎えてくれた。
「山口君、いらっしゃい」

口数は少ないが暖かい言葉で話し相手になってくれた。
その父の傍にはいつも新聞のTV番組表があり、赤の鉛筆で見たい予定の番組に
ラインが引かれてあった。

赤のラインが朝から、晩まで並べられてる。

そんな風景がこのごろ頭の中をよぎり始めてる。
いつしか、小生も新聞の番組表に見やすいように赤の鉛筆でラインを入れ始めてた。

義理の父と同じような行動を取り始めてる。
当時、なぜそのような行動をするのかわからなかったが、あれから10年の年月の
流れの中に理解が出来る年齢になり近づき始めてる。

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