デパートで日本で第一人者の仏像展覧会。
平日にもかかわらず広い展覧会は人ごみであふれていた。
日本のほとんどのお寺の仏像は彼が彫刻。17歳の時 最愛の弟を亡くし、それから40年弱 仏像の彫刻一筋に人生を歩んできた。
現在、製作しているのは10年前に頼まれた高さ10メーターの仏像。
弟子、40人との共同作業。
左右のバランス、目と鼻と口の表情。そして目を入れる開眼。
深夜、誰もいない工房で黙って仏像と向き合う姿。
何を語りかけるのであろうか、多くの人々が祈りをささげる仏像に。
人々の幸せ、苦悩を一手に引き受ける仏像に己の魂を注ぎ、目に見えぬカオスの
世界との会話。
その重圧にどう向き合うのだろう。
仏を作り魂が入らずとの言葉。
亡くなった弟に捧げる果てし無き思い。
そんな展覧会の片隅で見つけた童地蔵。高さ20センチばかりの小さな地蔵。
目と目が合った瞬間に心が揺らぎました。
心の中がみすかれた気持ちになり同時に心の中にそっとしまいこみたい童地蔵。
丁度、我家にも2人の孫が今年誕生しました。
思わず、2人の顔を思い出しました。
もしかしたら、赤ん坊は仏様の生まれ変わりかも、知れませんね。
翌日から 鏡に映る小生の顔にため息ばかりです。