沈まぬ太陽


今 話題の映画「沈まぬ太陽」に上官と見に行った。
初日のせいか ほぼ満員である。やはり中年の世代が多い。
昭和30年代の激動の時代を会社の中で生き抜く男の戦いを渡辺謙が演じてる。

大きな組織の中でみんなのためと思い、組合の代表として上層部に働く労働者の
代表として戦い続け、やがて時代の流れの中で翻弄されていく姿を見せている。

会社、仲間、家庭、の中で揺れ動く姿は本当の幸せとは何か。
生きていくために、何かを犠牲にしていく姿。

何を選択すればよいのか。家庭を持った以上、妻と子供達への責任。
そして、仲間への責任。
挫折する仲間、そして裏切る仲間。
それぞれが苦悩のなかで自己の人生を選択し、追い込まれながら自分を納得させる。誰もが悪いのではなく自分の人生の行き方を会社という目に見えない中での
選択。
どこに、自分の人生の行き方を選ぶのかは、現在と違い選択の少ない昭和の時代。

日本が戦争の敗戦からの立ち上がりを全国民が虚脱感からの脱却を会社と言う大きな組織の中でのスタート。
選択の少ない個人の人生。
生きがいなど考えられない時代は到底今の若い人には理解ができないかも知れない。
3時間を過ぎる長い時間をどうすごすか心配であったがあっというまに過ぎた時間であった。
日本が世界の経済大国へとスタートする時代に生き抜いた男の不屈の精神は
現在の薄っぺらな情報にとらわれ、腰の据わらぬ生き方に翻弄されてる我々に対する警告と思われる。
何者にも変えがたい己の生命を何をもって変えられようか。
己の足跡を混沌たる今の時代にはっきりと浮かびだす信念を心に刻むべきだろう。

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